MC松島×岩井健二対談「 #札幌盛り上がっちゃうね 」(前編)

MCバトル全国大会の常連でもあり、年間数百の楽曲を発表することでお馴染みの奇才ラッパーMC松島(以下松島)と、独自の視点で新鮮な芸術を提案する専門誌「みらいアート」編集長を勤める美術評論家、作家の岩井健二(以下岩井)。地方のクリエイティブシーンの今までとこれから。世代やジャンルを超え、札幌を拠点に活動する二人の対談が実現した。

松島「初めまして。まさか岩井さんとお話させてもらう機会が頂けるなんて恐縮してしまいます。よろしくお願い致します。」

岩井「ははは(笑)。そんなに固くならずにざっくばらんにいきましょう。どうぞよろしく」

松島「最初に一つ言っておきたいんですが、この対談の最後にとても大切な話をするので、読者の方は絶対に最後まで読んで欲しいです!」

岩井「そんなこと言って大丈夫なのかな?きみはよくそういうフックの掛け方をするよね。人によっては『真面目にやれ!ふざけるな!』って感じると思うけど、その辺はどう考えてるの?」

松島「ありがとうございます。僕としては正直、誰にどう思われても良いです。例えばマイケルジャクソンだってビートルズだって苦手な人は苦手だし、全員に好かれるのは無理です。八方美人でいるよりも、多少エッジーで『こいつムカつくな〜』くらいに思われた方がいいし、ムカつくなら見なきゃ良いのに…って思います」

岩井「なるほどね。そもそもきみに興味が無ければこの対談を読みに来てないよね。悪目立ちでもする方がメリットがあると。美術の世界でも似たような考え方はあるかもしれない」

松島「僕たちの役目は『自由に表現しても良いんだよ』っていうお手本だと思うんです。そのために僕は僕の個性を出す必要があります。本来は他人の目を気にして何かに似た作品を作ることがタブーで、悪目立ちって言うと聞こえが悪いですけど、「ムカつく」でもなんでも何かを感じさせることがスタンダードだと思うんです。だから僕は自分のことを凄く普通のアーティストだと思ってます。人を傷つけるのは絶対に駄目ですが、ざっくり言うとアートなんて全て炎上商法だと思うんですよ。内容とか美しさで炎上させないといけない。だから、むしろみんな何をビビってるのって思っちゃいます。少なくともどっちが上手いか比べるようなものでは絶対にないですよ」

岩井「アートにも色んなレイヤーがあるから全てがそうとは言い切れないけどね。しっかり勉強をしないと理解できない『美』も沢山あるから。ただ、俺は回りくどいのが苦手でね。端的に質問したくなっちゃうんだ。結構めんどくさがられるタイプなんだよ(笑)」

松島「いえいえ、せっかくの機会なので変に気を使って『一緒に頑張りましょう!』みたいな話をしても勿体ないと思います。僕もめんどくささには自信があるのでそれは負けないように頑張ります(笑)。やっぱり何を聞かれても即座に答えられるように準備しておかないといけないと思うんです。明確なビジョンをもって活動するってそういうことですよね?」

岩井「そうだね。それは頼もしいね。じゃあ最近きみが良くTwitterで呟いてる、札幌を盛り上げようとする動きについてはどうだろう?傍から見たら何をやろうとしてるのかサッパリ分からないんだが」

松島「実はそれ僕もよくわかってないんですよ」

岩井「いきなり答えれないんだ(笑)。普段から明確なビジョンを持って活動してるんじゃないの?」

松島「それは持ってます!ずっと悩んでるんですが、今は悩むよりもとにかく行動の量を増やそうとしています。行動すると結果が出るんで、その都度修正していきたいです。ただ僕一人の活動に比べて街相手の活動は行動から出る結果が少ない感じがするんです。もっとすぐ修正点が出て来ると思ってました。だから現状では行動が足りてないんだなと思って、これからもっと明確に増やします。でもすぐ頭でっかちになっちゃうから難しいんです」

岩井「その『僕一人』と『街相手』というのが少し漠然として感じるな。きみは最終的に札幌がどうなれば良いと思ってるの?」

松島「実はそれもあんまり分かってないんです(笑)」

岩井「そっかそっか。もう闇雲なんだな(笑)。頭でっかちになることを避けてるようだけど、計画や目標も大切だよ。目標がないと結果に対して何をどう修正すればいいのか考えられないからね」

松島「そうですね。去年の12月頃に『あ、札幌盛り上げよう!』と思って、それから大体三ヶ月経って、そういうことが少しずつ分かってきたのかもしれません。行動するたびに解像度が上がって来て、最初よりとクリアに『僕は自分で何をどうするか分からないんだ』が見えてきました」

岩井「少し話がボンヤリとしてきたね。具体的に今やってることはどんなことなの?」

松島「端的に言うと二つです。ライブイベントの制作と楽曲の制作です。こう言うとマジで物凄く普通のことしかしてなくて恥ずかしくなってきますね…(笑)。誰でもやってる事です」

岩井「それらは何のためにやってるの?それをすることで札幌はどう盛り上がる?」

松島「僕もそれくらいは考えました!世の中の色んな人が『目標目標』言ってるんで、そういうのも参考にしました。ライブイベントは『前売り券を完売を根付かせる』と『夜中にやってることを昼に持って行く』が主な狙いです。楽曲は、そもそも札幌ってリリース量が少な過ぎると思ってて、ぶっちゃけ足りない分を僕一人で埋めようと思ってみたりとか…(笑)」

岩井「少しずつ見えて来たね。その二つの軸があるんだね。それぞれ実際にどんな事をやって、どんな結果が出たのか話せる?」

松島「ありがとうございます!僕が一方的に喋ってしまいましたが、そろそろ時間のようです」

岩井「えっ…。最後に話すって言ってた大事な話はなんだったの!?」

松島「後編に続くみたいなので、後編の最後に話します」

岩井「なるほどね(笑)」

後編に続く

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